2020年6月4日 新潟日報取材
桐たんす修理依頼続々
巣ごもりの中の片付けで再注目?
加茂市は、桐たんすの最大産地で全国の生産量の7割を占める。桐たんすメーカーの「桐の蔵」では、これまで月1、2件ほどだった修理の依頼が、5月の大型連休明けから8件寄せられた。
同社は1947年に創業。展示会を開いて、受注生産するのが特徴だが、新型ウィルスの影響で2~6月に東京や関西などで予定していた展示会は全て中止。新規の注文が入らない状態が続いていた。
修理依頼は連休中に家の片付けをした人などからで、桑原社長は「家にいる時間が長くなり、家具を見直す人が増えたのではないか。ありがたい」と感謝する。
届くたんすの産地は様々で、ホームページで丁寧な修理をPRしてきたことが功を奏した。
田上町にある同社工房で、職人が手作業でたんすを再生させていく。割れたり欠けたりした部分は、木片を埋め込んで補修。茶色にくすんだ表面をかんなで削り、新しい木肌を出す。
天然の塗料やオイルを塗ってつやを出し、傷んだ金具を付け替える。完成まで半年ほどで、新品を作るのと同じぐらい手間がかかるという。
加茂箪笥協同組合理事長を務める桑原社長は「嫁入り道具で買ってもらったたんすなど、それぞれにお客さんの思い出が詰まっている。喜んでもらえるのは職人冥利に尽きる」と語った。
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