2002年7月7日 朝日新聞取材
伝統継ぎ「桐チェスト」に 環境にも配慮、一生もの
一昔前まで、婚礼家具の代名詞だった加茂の桐たんす。しかし今では、マンションなどでクローゼット付きの部屋が増えるなど住宅事情が変化したこともあり、需要は減りつつある。
そんな中、田上町の桐たんす製造業「桐の蔵」が、斬新なデザインの「桐チェスト」を発表した。仕上げの塗装に自然素材を使うなど、 健康に気を配ったのもうたい文句だ。
加茂桐箪笥協同組合によると、桐たんすの出荷額は82年の約56億3千万をピークに、昨年は19億6千万円まで落ち込んだ。
「桐チェスト」は、本体の大きさが幅90センチ、高さ60センチ、奥行42センチ。従来の桐たんすよりも一回り以上小さく、マンションでも使いやすい大きさにした。
洋室にも置けるシンプルなデザインで、素材も通常の桐たんすと同じものを利用。津南町など国内産の一枚板を使い、金具は三条鍛冶の職人が一本一本手作りする。
また、仕上げには亜麻や米ぬかから抽出した自然油を使用。接着剤に含まれるホルマリンなどの化学物質を使っていないため、肌の弱い人や乳幼児にも安心して使えるという。
同社社長の桑原隆さんは「自然素材だけを使っており、古くなったら削って再生することもできる一生もの。環境にもやさしい。本物の家具に触れてほしい」と話している。
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