2007年5月5日 日本経済新聞取材 三代続く桐たんす工房 桐の蔵

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2007年5月5日 日本経済新聞取材

2007年5月5日 日本経済新聞取材

新潟桐を使用した桐の米びつ

どこの家でも、毎日の暮らしに必要な道具のひとつに「米びつ」がある。しかし使い勝手もデザインもいいものとなると、なかなか見つけるのが難しい。

新潟県の桐たんすメーカー「桐の蔵」が販売する米びつは、そんな客の要望から生まれた逸品である。

ゴマノハグサ科に属する桐は、木ではなく草であるとも言える。しかし「木と同じような」姿をしている。だから桐と書くのだという。同時に草ならではの成長の早さ、軽さ、柔らかな感触をもつ。また昔から、たんすの材料として知られるように、防虫、防湿性に優れ、火にも強い。

大事な着物をしまうには、うってつけの性質を持っていたのである。それは同時に、大事な米をしまうのにも向いている。

米の持っている水分を逃がさず、一年を通して虫を寄せ付けない。おいしいお米を、おいしいご飯として食べるためには、実は保存こそが大事なのだ。

そして桐の持つ柔らかでさらりとした感触は、毎日手に触れるものにふさわしい。そんな材料の性質を最大限にいかすように 「釘を使わずにホゾ組で組んで、フタをつけただけのものです。ごく普通の飽きのこない形にしました」と代表の桑原隆さん

総勢7人の社員で、一つ一つ手作りしている。いま出回っている桐製品の多くは、原料となる桐が中国産のものだが、同社は地元新潟県の十日町周辺の材を使用。

原木で買ってきて製材し、三年は工場内に並べて自然乾燥させてから使っている。桐は約二十年で成長するが、同社がたんすを作るのに用いているのは三十年前後のもの。それで、直径50〜60センチぐらいという。

米びつ用の板は厚さ15ミリにひく。「思った以上に軽くてコンパクト」とは実際に使っている人から多く寄せられる声だ。米を入れた時のなじみのよい美しさは、さすが植物同士といった趣がある。

写真のタイプは表面に塗装もなにもしていない、白い木肌をいかしたナチュラルなもの。汚れたらサンドペーパーなどで削れば、また美しい木肌が現れる。

別に表面を黒く焼いたタイプもある。汚れが目立たず、殺菌効果があるようだ。五月は桐の花が咲く季節。紫色の可憐な花というが、思いのほか知らないことに気づく。

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