2000年11月19日 読売新聞取材 三代続く桐たんす工房 桐の蔵

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2000年11月19日 読売新聞取材

2000年11月19日 読売新聞取材

伝統の桐タンス 百年使ってほしい

桐タンスは古くから嫁入り道具として、重宝され、買った人の思いが込められたものが多い。
それなのに、1980年ごろから、家を新築したり改築したりする際、古くなった桐タンスが捨てられるのを目のあたりにするようになったと桑原さんはいう。

「母の思いが込められた桐タンスを捨てるなんてとんでもないこと」と心を痛めていた桑原さんは、「古いタンスを直す仕事をしたい」という藤井朋子さんが三年前に入社したのをきっかけに、桐タンスの再生に取り組み、昨年四月、正式に社内に再生事業部を設置した。

タンスの再生は、依頼者と相談しながら、桐を削って新しい面を出したり、傷を直したりするほか、
古い材料や金具を生かして別のタンスを創作することもする。

タンスの再生は新しいタンスを作るより手間がかかり、採算も採れないというが、桑原さんは「損得だけでなく、タンス職人として大事なこと」と思っている。また、再生を通じて顧客との結びつきも強くなったという。口コミで広がった依頼は、これまで約六十に達した。

同業者から「そんなことをやっても意味はない」と冷ややかに言われたこともあるというが、桑原さんは「加茂には伝統的な地場産業として桐タンスの制作技術があり、これを利用しない手はない。
家具の再生が、沈滞する地場産業の振興につながるのでは」と考えている。


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